夏になると、施設内で「排水口から嫌な臭いがする」「エアコンをつけるとカビ臭い」「清掃後なのに床やトイレの臭いが残っている」といったお悩みが増えてきます。
気温と湿度が上がる時期は、汚れが付着した場所や濡れた清掃用具などに臭いが発生しやすくなります。特に、不特定多数の方が利用する病院・介護施設・オフィスでは、わずかな臭いでも、利用者や職員に不快感を与えてしまうことがあります。
消臭剤や芳香剤で一時的に臭いを隠すだけでは、根本的な解決にはなりません。大切なのは、臭いの発生源を見つけ、場所に適した方法で汚れを取り除くことです。
今回は、施設内で発生しやすい夏の臭いについて、主な原因と対策を清掃のプロの視点から解説します。
夏は気温が高く、施設内でも湿気がこもりやすくなります。
排水口に付着した汚れ、エアコン内部のホコリ、乾き切っていないモップやクロスなど、普段は気にならない場所でも、汚れや水分が残った状態が続くと臭いの発生源になることがあります。
また、冷房を使用するために窓を閉め切る時間が長くなり、十分に換気できないことも、臭いが施設内に残りやすくなる一因です。
臭いを改善するためには、まず「どこから臭っているのか」を確認する必要があります。
トイレ、洗面所、浴室、給湯室、厨房などの排水口は、施設内でも臭いが発生しやすい場所です。
排水口の内部には、髪の毛、石けんカス、皮脂、油分、食べ物の残りなどが徐々に蓄積します。目に見える部分を清掃していても、排水口の部品や排水管の内側に汚れが残っていることがあります。
また、あまり使用されていない流し台や床排水口では、排水トラップの水が減り、排水管からの臭いが上がってくる場合もあります。排水設備は、清掃だけでなく、トラップの封水が適切に保たれているかを確認することも重要です。
排水口のふたや目皿を外し、髪の毛や固形物を取り除きます。そのうえで、排水口周辺や取り外せる部品を、材質に適した洗剤と清掃用具で洗浄します。
臭いが強い場合や、清掃しても短期間で臭いが戻る場合は、排水管内部の汚れ、設備の不具合、封水切れなども考えられます。表面の清掃だけで判断せず、必要に応じて専門業者による確認を行いましょう。
冷房をつけたときに臭いを感じる場合は、エアコンが発生源となっている可能性があります。
エアコンは室内の空気を取り込みながら運転するため、フィルターなどにホコリが付着します。フィルターの奥にある熱交換器、送風ファン、ドレンパンなどにも汚れが蓄積することがあり、表面のフィルター清掃だけでは臭いが改善しない場合があります。
施設の担当者が行う日常的なお手入れとしては、取扱説明書に従ったフィルター清掃や、吸込口・吹出口周辺の確認が基本となります。
ただし、エアコン内部の洗浄には、機器の構造や電気部品に関する専門的な知識が必要です。不適切な洗浄剤や方法を使用すると、部品の破損や絶縁不良、故障などにつながるおそれがあります。内部の汚れや臭いが気になる場合は、無理に分解せず、専門業者へ相談することをおすすめします。
意外と見落とされやすいのが、モップやクロスなどの清掃用具です。
汚れたモップやクロスを十分に洗浄しないまま繰り返し使用すると、清掃用具に付着した汚れを別の場所へ広げてしまいます。
また、使用後の清掃用具を濡れたまま重ねたり、風通しの悪い場所へ保管したりすると、用具自体から不快な臭いが発生することがあります。その状態で床や設備を拭けば、清掃した場所にも臭いが残ってしまいます。
使用後のモップやクロスは、汚れを十分に落とし、しっかり乾燥させてから保管します。
清潔区域、トイレ、厨房など、使用する場所に応じて用具を分けることも重要です。色分けや表示を行うと、誤使用を防ぎやすくなります。
モップ糸やクロスに変色、臭い、ほつれなどが見られる場合は、洗浄を繰り返すだけでなく、交換も検討しましょう。
清掃用具を清潔に管理することは、仕上がりの品質を安定させるための基本です。
トイレの臭いは、便器の内部だけが原因とは限りません。
便器の外側、床との境目、壁、手すり、便座の接合部などに尿汚れが飛散し、臭いが残っている場合があります。
病院や介護施設では、汚物処理室、使用済みおむつの保管場所、ポータブルトイレなども臭いが発生しやすい場所です。
便器だけでなく、床、壁、幅木、手すり、便器周辺の細かな部分まで清掃範囲に含めます。
汚れに対して洗剤が合っていないと、何度拭いても十分に除去できません。汚れの種類や床材、設備の材質を確認し、適切な洗剤と方法を選ぶことが必要です。
強い臭いが続く場合は、床材の継ぎ目や便器の周辺など、日常清掃では手が届きにくい場所に汚れが蓄積している可能性があります。
夏場は、ゴミ箱やゴミの一時保管場所にも注意が必要です。
生ゴミ、飲み残し、使用済みおむつなどを長時間放置すると、短時間でも強い臭いが発生することがあります。
ゴミ袋を交換していても、ゴミ箱の底やふたの裏側に液体や汚れが付着しているケースは少なくありません。
ゴミを適切な頻度で回収するとともに、ゴミ箱本体の内側、外側、ふた、底面を定期的に洗浄します。
ゴミを一時的に保管する場所についても、床や壁への液だれ、換気の状態、排水口の汚れなどを確認しましょう。
ゴミ箱の容量や設置数が利用状況に合っていない場合は、回収回数だけでなく、運用方法そのものを見直すことも必要です。
臭いが気になると、消臭剤や芳香剤を使用したくなります。しかし、発生源となる汚れが残っている状態では、臭いが一時的に分かりにくくなるだけで、時間がたつと再び気になるようになります。
香りの強い製品を使用すると、元の臭いと混ざり、かえって不快に感じられる場合もあります。特に病院や介護施設では、利用者の体調や香りへの感じ方にも配慮が必要です。
まずは臭いの発生場所を確認し、汚れの除去、清掃頻度、換気、ゴミの回収方法、清掃用具の管理などを見直すことが大切です。
次のような場合は、日常清掃だけでの改善が難しい可能性があります。
・排水口を清掃しても、すぐに臭いが戻る
・エアコンのフィルターを清掃しても臭いが続く
・トイレの床や壁を清掃しても尿臭が取れない
・床全体にベタつきや臭いが残っている
・どこから臭っているのか特定できない
・職員によって清掃方法や仕上がりに差がある
・施設の清掃方法を全体的に見直したい
専門業者に相談することで、目に見える部分だけでなく、日常清掃では対応しにくい場所を含めて確認できます。
汚れの種類や施設の利用状況に合わせ、機械洗浄、エアコンの内部洗浄、排水設備の清掃、床面洗浄など、必要な対策を選ぶことが重要です。
病院・介護施設・オフィスの臭いは、施設を利用する方が受ける印象を大きく左右します。
排水口、エアコン、清掃用具、トイレ、ゴミ保管場所などを確認し、臭いの発生源となる汚れを取り除くことが、快適な環境づくりへの第一歩です。
弊社では、病院・介護施設・オフィスをはじめ、施設の用途や汚れの状況に合わせた日常清掃・定期清掃をご提案しています。
「清掃しているのに臭いが取れない」「現在の清掃方法が適切か確認したい」「日常清掃では落とせない汚れをきれいにしたい」といったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。